ふくわらい（個別西永福のおすすめ図書）

コメント数：0   投稿日:2024/07/11 18:32:20 

皆さんこんにちはena個別西永福です。

今回はお勧めの本について

ふくわらい

という作品

読み終わった後に、

西加奈子の大傑作を見つけてしまった

と思いました。

本を読むとき、主人公の名前ってあんまり憶えないのですが、

鳴木戸定だ。漢字でしっかりフルネームで覚えているじゃないか。（それくらい衝撃的な作品だったんだ。）

福笑いってやったことありますか？

「おかめ」、「ひょっとこ」といったお面の輪かくだけをえがいた紙の上に、

目かくしをされた人が、目や鼻、口などの顔の一部を自分のカンをたよりに正しく並べていく遊びです。

これがどうも癖になるので、

定は大人になっても目の前にいる人の顔面を自由に頭の中で動かすことができるようになるのです。

ちょっとわかりにくいので、例を挙げれば

あなたのお母さんが目の前に立っていたとしたら、

現実世界であなたのお母さんの顔は自由に操ることはできなくても、

想像の世界で目と、鼻と口を動かすことができるのです。

そんなことが癖になった定はいつも大笑いです。

このふくわらい大笑いを覚えた定は、

沢山の人の顔を操り、

現実の世界と、想像の世界の境で

自分探しの旅を始めるのです。

定が生きる世界、それは万人の顔を操り、目と、鼻と口が自由自在に動き回る世界

もう一つはお顔が全く動かない私たちが暮らす平凡な日常（現実）です。

 

そんなことありえないでしょ？

それが詰めこまれているのがファンタジー。

でもこれ、ファンタジーじゃないんだな

という感動を覚えたのはなぜなのか？

自分に問いかけてみると、

いつもいつも、自分だけが生きる世界と現実のはざま葛藤で生きている人がほとんどの世の中

だけれど、一人になったときにふと、自分だけの世界に入り込んだり

きれいな夕陽を見て、とてつもない感動を覚えたときに、

なんであんなことで怒ってたんだろう

とちょっと優しい自分になれたり。

 

人間って、一つの道に向かって生きているわけじゃないんだなと

強く感じさせられた作品だったのです。

 

いろんなあなた

いろんなわたし

それが人間ですね。

これからどんな自分に出会えるのかしら。

と、少しわくわくさせられた本でした。

みなさまも、ぜひ読んではいかがでしょうか。(^^)

今日は、ここらへんで

 

 

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