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小中学部
8.24 日刊ena塩浜 -きらり-
投稿日: 2024.08.24 10:06 pm
こんにちは、ena塩浜の青木です。作文の授業をしていると、自分の方が書きたくなります。
8月24日、土曜日。
夏期講習、23日目。
ラス前。
小5、小6の作文の授業は、この夏期講習では授業は極力最小限にし、
トレーニングに時間を割きました。
作文力の固まっていない小5は作文、
作文力の基礎は出来上がっている小6は要約、
〇となるまでの、ひたすらのやり直しです。
昔、私の弟子の一人が講演会で「作文はスポーツ」と言っていたことがあったのですが、
言いえて妙で、スポーツのように、理屈の理解だけではだめで、その後の練習の蓄積を以て初めて体得できるものです。
ですから、貴重な反復練習、量の確保ができる講習ではとにかくトレーニングあるのみ。
そんな中、小5の子が、提出した作文に対しての私の指摘を受けて、
一発で素晴らしい作文に書きあげてくることがあったので、
本人に許可をもらってちょっとそれをここに書きたいと思います。
一回目の提出がこちら。
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文章では、自分がしてほしくないと思うことを他人にしない、
もしくは相手がされていやなことをしないということを理解できるかどうかが、
大人としての境い目だと述べている。
私も、相手の気持ちを理解して行動できることが大人になることだと思う。
私の友達で、よくちょっかいを出してくる人がいる。
今までは、ちょっかいをだされたら相手にしないようにしていた。
ある日、その行動を見た担任の先生がともだちの気持ちを考えた対応をするように言った。
それまで自分のことばかりを考え、じゃまされたくない気持ちから友達を追い返していた。
だが、先生の言葉をきっかけに、友達がされたらいやなことをしないようにした。
私はこれから、多くの人とかかわっていく中で、
人の気持ちを考えて理解することを大切にしていきたい。
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これに対しての私の指摘は、
・友達がちょっかいを出してくること自体が「いやなこと」だから、
それを題材にしないほうが良い。自分がちょっかいを出していた、のほうがシンプル。
・先生や親などが、「正解」を教えてくれる体験はだめ。
それだと、ただ言われた通りにしているだけで、なぜそうするか、が分かっていない可能性があり、
説得力を高めない。だから、自分自身が体験を通して学んだこと、として書くこと。
この指摘を受けて、彼が数分で再提出してきたものがこちら。
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<第一段落はほぼ同内容のため省略>
私は、小三のときまでよく人にちょっかいを出していた。
そのときまでは、人のことを考えずに行っていた。
ある日、休み時間に本を読んでいたときに友達にちょっかいを出されて、もめごとになった。
その後、私も同じことをしていたのだと自覚して反省をした。
このことをきっかけに、私は友達がされたらいやなことをしないようにした。
<第三段落はほぼ同内容のため省略>
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私が指摘したことは抽象的、概念的なことですから、そこの理解だけでも頭を使わなければならず、
それに沿う内容をひねり出す、ということはそれよりもさらに難しいことなので、
普通は何回かの再チャレンジを経て、一つの課題をクリアして次のものへ、と進むのですが、
あまりにも鮮やかに見事な作文を書きあげてきたので、感動して思わずコピーを取って掲載許可をもらいました。
彼のこの構成力は「持っている」ものがありますが、
都立中の作文は基本的にはセオリーの理解とその体現の勝負ですから、
仮に文章が苦手な子でも、反復の中で必ず書けるようになるものです。
他の子もこの夏で着実に力を伸ばしてきましたから、
夏以降も引き続き力を伸ばせるように指導をしていきます。
◆今日の一問:都立中の作文がセオリーに基づくのはなぜか。
ena塩浜 青木
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