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小中学部
7.18 日刊ena塩浜 -スパイラル方式-
投稿日: 2024.07.18 7:43 pm
こんにちは、ena塩浜の青木です。哲学ではイデア論が好きです。
7月18日、木曜日。
今日は数日ぶりの夏モードの天候ですね。
すでに前期のカリキュラムを全て終えているので、
今日のSS小4の授業は、復習の内容。
一度やったことのある内容、ということを差し引いても、
問題を解くスピードも、抜けていた内容の再定着のスピードもサクサクで、
少し驚かされました。
私立中入試に向けてのインプット量は本当に膨大で、理社なんかは都立高入試よりも多いほどです。
概念そのものを掴むところから始める小学生たちにとっては、
その膨大な量の理解とインプットを両立することは容易ではありません。
大人が考えるよりも、理解に多くの頭のリソースが割かれるため、
授業のその場で理解をしていても、時間がたったら忘れてしまう、がとても多くなります(正確には、覚える、までいかずに消えるものがが多い)。
高学年や中学生になると、理解することそのものの記憶への効力が強く、「わかる」だけで「覚える」とほぼ直結する子が増えますが、
小学生だとよっぽど賢い子でないと、なかなか理解だけでは進むことはできず、覚えるためのステップがどうしても必要となります。
そのあたりのことを考えると、中学入試に向けての学習方法として、スパイラル方式が作り出されたのは大変理にかなっていると思います。それが一般化したのも、至極当然という感じです。
ただ、そういった小学生の発達段階との合理性なんかを無視して、ただカリキュラム構成だけがらせんを描いているだけで、
実際にはスパイラル方式の意味がさほどない指導体系の塾もあります。
その手の塾の場合ありがちなのは、
ある単元を学んだけれどあまり理解・定着できていない
⇒またあとでこの単元を学ぶから大丈夫、というエクスキューズとしてスパイラル方式をつかう
⇒いざその単元に入ったら、以前学んだ部分は分かっているものとして、その先の応用部分からスタート
➡結果として、「分からない」の傷がより拡がる
という悪循環。
この状況に陥ってしまう原因は、「理解」の部分もスパイラル方式の名の下に先延ばしする道を選んでしまったことです。
上記の通り、子どもたちは新たな概念に触れる場合にはその理解に大きなリソースを割く必要があります。
スパイラル方式は、あくまで単元的に同じものが後々に再登場してくるというだけであって、
実態はスパイラル=らせんの名の通り、以前登場したときをなぞるのではなく、その上に登った位置にあるものを学ぶことになります。
そのため、その単元の初回時、初めてその概念に触れるときほどではないにしろ、また新たな「理解」が求められるため、
既習範囲の「理解」まで残っていると、まずその再登場時に状況が好転することはありません。
定着の部分においては、新しく習う部分の思考においても、既習部分の思考作業が求められることが多いため、
その中で定着が進むことは起こりえますが、既習範囲の「理解」は、どうしてもそれ以前の段階で達成されている必要があります。
そもそも、正しく定着する=練習を積む、という作業に入るためにはその前の時点で理解が必要ですから、
結局、どう足掻いても、苦手な教科、嫌いな単元であっても、理解の段階をクリアすることは各授業時のマストの達成目標です。
理解がない限りは定着はなく、一般的な中学受験用の学習カリキュラムでは、後追いでの理解が起きることもまずありません。
何が何でも「わかる」ところまで行ってから帰る、分からなければ授業を止めてでも聞く(ルールに則った上でですが)、
そしてこちらは、一人残らず必ず全員が理解するところまで持っていく、
生徒と教師側がその前提の上に立って、初めて塾の授業です。
◆今日の一問:エンドウマメのつるとヘチマのつるの違いは?
ena塩浜 青木
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