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小中学部
6.26 日刊ena塩浜 -できる限り遠いものを-
投稿日: 2024.06.26 10:21 pm
こんにちは、ena塩浜の青木です。
今日の国語で扱ったのは、食と文化の話。
高校入試、大学入試の国語の文章が割と何でもありに近いのに対し、
中学入試では扱う文章の主題がある程度限られます。
それは、勉強的な意味での賢さとは別に、
どうしても年齢的、経験的に小学生では理解・把握できない概念があるからです。
そういった概念、たとえば哲学の分野などは、普通はあまり中学入試においては出題されません。
もっとも、「○歳からの哲学」のような、最初から対象を小中学生としているものだと別ですが、
そういう例外を除くと、題材自体はあくまで小学生の世界でも触れうるものを扱っていることがほとんどです。
かといって、たとえば「食」一つとっても、世の中には無数の説明的文章が存在します。
しかし、ふたを開けてみると、中学入試へ向けて本番レベルの練習を積み重ねていると、
この論調は前も読んだな、というものにちょこちょこぶつかることになります。
これは、中学入試国語における、題材に続く二つ目の制約で、
あまり極論であったり、アナーキーな意見の文章を扱うことが避けられることによります。
先日、中学入試とそこへ向かっての学習の分野では、
ただ入試へ向けて、合格に向けて、ではなく、
もっと広く、子どもたちに世界を知ってもらう目線があることを書きました。
そこではあくまで教材の観点から書きましたが、入試の本番においても、そういった思想の学校は少なくありません。
例えば、一定のレベル以上の学校だと、世の中のリアルタイムの出来事を、ただ時事問題の題材としてのみ扱うのではなく、
そういった社会情勢の中で、今後私たちがどういったことに気を付けていくべきか、どういったことを考えていくべきか、
といったことを受験生に述べたり、問いかけたり(問題として、ではなく)してくる文章を掲載した上で、具体的な問に移る学校は多々あります。
そういった、真に子どもたちのことを考えている学校では、反社会的だったり、偏った考えに基づく文章が題材として出題されることはまずありません。
「入試は絶対量」はよく言われるフレーズですが、一つの真理でもあります。
そう言える根拠の一つが、上記のような、ある一定のフレーム内で問題が作成されるが故の、
全然異なる学校の全然異なる年度の問題であるのに、そこに扱われている文章内の主張が重複し、
問題が解きやすくなる、という現象です。
だから、逆に、そこまでの道筋の中では、極力主張内容が重ならないような、広い範囲で文章を、問題を選定して触れさせるように気を付けています。
◆今日の一問:のどが渇く、の実際の現象は?
ena塩浜 青木
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